2011/11/06

【11】Emmanuelle Seigner

【赤い航路】
なんといってもロマン・ポランスキー監督作のこれでしょう。愛と性の地獄めぐり。
「彼女は成熟した女の魅力と少女のような無邪気さを持っていた」このセリフこそファム・ファタールの条件。
そこに更に気品を加えるエマニュエル・セニエ。
た・ま・ん・ね・っす
最初は天使のたたずまいで登場。
無邪気な笑い声、完璧に美しくてエロい肢体。
そしてどんどん変態になっていく。
なのにこの映画の底には深い人間の業と哀しみ、そしてどうしょうもない深い愛が流れている。
悲劇ではあるけれどそんな次元にまで行き着いてしまう二人の男女に言いようのない愛の絆を感じてしまうのだ。

隣は監督のロマン・ポランスキー。そして二人は夫婦なのだ!
ヌードどころじゃないこんな映画に結婚間もないワイフを出演させるのだから、
やはりポランスキーはウディ・アレンと並ぶ変態監督。
ちなみに彼の母親はアウシュビッツ収容所でナチに殺され、
最初の奥さんはチャールズ・マンソン率いるカルト集団に惨殺されている。
つまり人生そのものが並ではない。
つまり変態の格も芸術的次元なのでちゃんと作品に昇華される。
そのワイフはゴダール作品で映画デビューだからやっぱり並の美女ではない。




【フランティック】
これもポランスキー監督作。これで二人は出会って結婚。
悪女じゃなかったけど危うい魅力はあった。



【ナインスゲート】これまたポランスキー作。
悪女じゃなくて悪魔の役。なんだと思うが定かじゃない。
主演のジョニーデップに守護天使のように現れてジョニーを助ける。
人間離れした美しさよ。



【潜水服は蝶の夢を見る】
監督はジュリアン・シュナーベル。もともと画家としてスターだった人。
この作品のエマニュエル・セニエは全く悪女ではない。
まばたき以外の身体自由を失ったELL編集長を献身的に支えた奥さん役。
いい映画。実話。




Femme Fatale(ファム・ファタール/運命の女)とは男を破滅させるような抗いがたい魔性の魅力をそなえた女を指す仏語で、世紀の名盤Velvet Underground & Nicoの同名の曲でも有名。昔から甘くない愛の深淵を描く小説/映画には欠かせない素材。「赤い航路」でのエマニュエル・セニエはまさに運命の女。たいていのファム・ファタールは男を破滅させるが自らも破滅していく。損得ではなく情熱で動くから。だからけして狡くはないのだ。並の悪女ではそこまでいけませんね。
しばらくは女優でと思ったのだがどうも挙げる作品が少なくなりそう。やはり女優は銀幕の悪ではなくて花だからか?それとも悪役ばかりやりたがる女優などいないのか、はたまたそういう女優は実生活でもそうで現場が修羅と化すからなのか…?
確かにこれから挙げていこうと思ってる危うい魅力の女たち、私はリアルに怖い…けど惹かれる!…破滅させられてみたいかも!…ああ、映画でよかった!と思わせられる美女ばかり。ご期待。

1 件のコメント:

  1. 最近見たい映画を探していたので、
    参考にさせていただきます。

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