2011/06/22

【8】Joe Pesci

われ〜なめとったらいてまうど!
なんてセリフが勝手に聞こえてくる面構え。
ジョー・ペシと言えばイタリアンマフィア映画。
独特の甲高い声、いきなりプチとキレて状況もかえりみずの即殺で仲間まで唖然とさせる凶暴っぷり。
まさにヤクザの中のヤクザ!
「サノバビッチ!」「マザーファッカー!」が一番似合う俳優(笑)。
なのになんと身長158cm!
本名はJoseph Francesco DeLores Eliot Pesci!
イタリア系アメリカ人。
あちらは〜系にいい俳優が多いね。






【レイジング・ブル】

この大傑作がデビュー作。いやデビュー作じゃないが経緯が面白いので以下抜粋。
『4歳の時にラジオ番組に出演。その後舞台やミュージカル、TVへと出演。高校を中退してナイトクラブで歌ったり、ギタリストとしてステージに立ったりして(リトル・ジョー・リッチー名義でジャズのレコードも発表)75年に映画デビュー。その後ハリウッドに移住するが全く売れず、芸能界に見切りをつけ職業を転々とする。やがてレストランの支配人をしていた時にデ・ニーロが彼のハスキー・ボイスに目を付け、「レイジング・ブル」の台本を読んでみないか?と誘われる。初めは断ったが、デ・ニーロは諦めずにスコセッシ監督まで連れてきたために、断りきれずに出演を了承。念願だったショー・ビジネスの世界に復帰する事となる。するといきなりアカデミー助演賞候補となり、その後も彼らと「グッドフェローズ」、「カジノ」を共作して「グッドフェローズ」では助演賞を受賞。』
ここからスコセッシ&デ・ニーロ最強コンビへの名アシストが始まる。


【レイジング・ブル】

実に映画の顔、風貌だねぇ。日本にゃ"風貌"は少ないねぇ。

ジョー・ペシはデ・ニーロ扮する実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの兄役。

この作品でアカデミー主演男優賞取ってデ・ニーロとしても頂点。









【グッドフェローズ】

これもギャング映画の傑作。
ペシのキレっぷりの前ではデ・ニーロが大人しく見える。


【グッドフェローズ】

この素晴らしい食事シーンでペシの母親やってるのは確か実のおっかさん。
息子に劣らずの怪優だった。








【カジノ】

グッドフェローズにかなりかぶるっちゃかぶるがラスベガスの裏社会がみれて興味深い。
いつペシがキレるだろうとワクワクハラハラして観れるのも同じ。

以上、この方とのコラボ。デ・ニーロとは今でも仲がいいらしい。
デ・ニーロもこのマーティン・スコセッシも同じイタリア系アメリカ人なわけで、
やっぱり同郷の絆を大切にするマフィアと同じ血を感じる。








【ホーム・アローン】

大ヒットしたコメディ。
コメディ映画への出演は念願だったそうなので、
素顔は案外にお茶目なのかもしれない。





と思ったけど、こういうプライベートフォトを見るとやっぱりどうなんでしょうねぇ…?






しつこく言うけどやっぱりこのヒトはキレたギャングが似合う。デニス・ホッパー監督主演の【バックトラック】やセルジオ・レオーネの【ワンスアポンアタイム・イン・アメリカ】なんかもgood。けど【いとこのビニー】なんかではそのキレっぷりが妙にコメディにハマるのも間違いない。確かにおっかない中にもどこか愛嬌を感じるのが好きな理由かも。  追記:【いとこのビニー】を久々に観てみたらばMr.ペシのなんたる可愛らしさ!(ついでに共演のマリサ・トメイのなんたる愛らしさ!)これならもっとコメディも観てみたいと嬉しい変節。

2011/06/21

【7】Bill Nighy

【アンダーワールド】

所謂ゴシックホラームービー。
ヴァンパイア族の統領役。ハマりすぎて笑える。
けど衣装とか武器のデザインかっこ良し。
もちろんビルもかっこ良し。
主演のケイト・ベッキンセイルや
フロスト×ニクソン】が良かったマイケル・シーンもかっこ良し。






ビル・ナイって妙な名前。
けど素顔はやっぱりダンディ。
えげれす人。はじめはジャーナリスト、小説家を目指してたとか。
だから知的な感じが…

かと思えばこのイカになる。
まぁこれは言わずと知れた役。
けどやっぱりビルの熱演あってのもの。

こんなにも熱演。
加工後、見事イカになりました。タコ?
いい役者さんは顔をほとんど出さずにいい演技できる。

キングダム・オブ・ヘブン】のエドワード・ノートンや、
【Vフォー・ヴェンデッタ】のヒューゴ・ウィーヴィング(エージェントスミスの人)なんかは全編仮面
顔を隠して身振りだけで名演してた。




【ラブ・アクチュアリー】



【ラブ・アクチュアリー】

これは悪役じゃないけど老ロックンローラー役。
似合ってた。








【パイレーツ・ロック】

【スクール・オブ・ロック】に並ぶロックンロール愛に満ちた作品。
音楽好きは必見でしょう!
こん時は、というよりこん時も踊り狂ってたな。








【スティル・クレイジー】

きわめつけがコレ!
20年ぶりに復活をめざす伝説のロック・バンドのヴォーカリスト役。
タイトルどうりのイカれた姿。





イブ・サンローランかよ!?
つーぐらい渋いね。





どっちかというと名悪役というよりホラーもコメディも似合う名バイプレーヤー。この人もジイちゃんだけど若々しい。軟鋼どちらの役もさらりと熱演してくれる気持よさが持ち味。【あるスキャンダルの覚え書き】や【ワルキューレ】での寡黙かつ実直な男なんかの役のほうがかえってハッとさせられ、けしてキワモノ俳優ではないことを見せてくれる。
長生きしてね!おじいちゃん。

2011/06/17

【6】Christopher Walken

ほぼ指名手配写真…
だけど大ファンです。


【フューネラル】

アベル・フェラーラ監督のどす黒いギャング映画。
中年以降はギャング役が増えた。
この人がギャングやるとほんと恐ろしい…なのにシビれる。





【トゥルー・ロマンス】
その代表作がこれかな。
実直な警官役のデニス・ホッパー(笑)を締め上げるがおちょくられカッとなりぶっ殺す。
で捨てぜりふが「自分の手で殺るのは十年ぶりだぜ!ぺっ。」ときた。



【GOD'S ARMY/THE PROPHECY】
宗教がらみの異色のオカルト映画。
ウォーケンは悪魔ではなくなんと大天使ガブリエル。
ちなみに魔王ルシファーをやってるのはこれまたなんと若きヴィゴ・モーテンセン。

どちらもダンディにドンピシャ似合ってる。



【アディクション】

これもA・フェラーラ作。やはり異色のヴァンパイア映画。
かっこよいねぇ。怖いけど。
黒がよく似合う




【スリーピー・ホロウ】

ティム・バートン作。首なしの騎士役。こぇ〜よ!
顔が出るのは、首を取り戻した終盤の数分のみ。
しかしこのインパクト!




若かれし頃。
もともとは子役から舞台出身なので歌もダンスもいけます。
Fatboy SlimのPVでも素晴らしいダンスをみせてくれた。
しかしこのイケメンっぷりはどうだ。




【デッドゾーン】

D・クローネンバーグの佳作。
若い頃は端正なルックスに影のあるまなざしで泣かせる役が多かった。
この作品でもどうにもならない非業の運命をたった独りで背負う哀しい役。
悪役じゃない。栄光なき孤独なヒーロー。
何度観ても哀しい…。




【ディア・ハンター】

しかしなんといってもウォーケンはやっぱりこの作品のニック役。
M・チミノによる79年度アカデミー作品賞受賞作。
ウォーケン自身もこれで助演男優賞受賞。
オレもこれで本格的に映画の深みに引きずり込まれた。
これほど長くこれほど重い映画を観たのはこれが最初だった。
ベトナム戦争でニック達が背負わされたどうにもやりきれない運命…
どうにもやりきれないラスト…
確かに長くて重い作品だが、主演が油の乗り切ったデ・ニーロと、
うら若く美しいメリル・ストリープということも見どころは尽きない。
たぶんこの映画で"ロシアンルーレット"というものが広く知られるようになった。
このシーンとテーマ曲を思い出すだけで涙がにじむ…名作。名演。





確かに悪役は多い。なのに悪役俳優ではけしてない。でも人を寄せ付けないオーラもあり、同時に深い優しさも感じる。妙なユーモアもあるからコメディ作品にもよく顔を出す。両面性が強いというか複雑に多面的な俳優なんじゃないだろうか?スピルバーグ監督の【キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン】での挫折した心優しい父親の役も沁みた。【燃えよピンポン】つうふざけたコメディでも有り得ないカッコして嬉々と演じてみせる懐のふかさ。いまや老優だが健在。

2011/06/12

【5】Paul Dano





【ゼア・ウィル・ビー・ブラッド】

P・T・アンダーソンの渾身作で衝撃の出会い。
最初、なんじゃこのムカつくキモ男は!だったのが…
観終わる頃には、なんじゃこのすげえ俳優は!になっていた。












【ゼア・ウィル・ビー・ブラッド】

だってこれ撮影時、若干23才。
宗教的熱狂をかくれみのに歪んだ野望を押しすすめる歪んだ男を演じる。
渡り合う相手はアカデミー主演男優賞2度受賞の名優D・D・ルイス。
しかもちょっと食ってる。
ん〜大したもんだね。












【リトル・ミス・サンシャイン】

まったく悪役じゃないがこん時もfu---------ck!」の一セリフでふっとびました。

いや大したもんだよ。










【ファーストフード・ネイション】





ほんとチョイ役だけど、これはある意味すごく現代的な悪役。


映画的悪役じゃなくてすごく現実的な悪を体現してて怖い…。


監督R・リンクレーターは、ノンフィクションからフィクションをつくるという手法を使って




この作品の切実なテーマを突き刺してきた。

観るべき映画と言いたい。








【ナイト&デイ】

またチョイ役だし悪役でもないけど実に印象的。









THE GOOD HERT】
この新作のホームレスの演技では【There will be Blood】を超えた…というウワサ。
期待が高まる。



現在26歳。ひねりのある役柄を絶妙に表現できる力があり芸幅の広さもうかがえる。これからも悪役に限らず印象的なアクトを見せてくれるに違いない。日本にはいないねこんな役者。いや、いても使える場がないのかな?プロダクションの方々、クソみたいなアイドルまがいばかり頼ってちゃイカンでしょう。

2011/06/09

【4】Terence Stamp

テオレマ
イタリアの鬼才パゾリーニ監督の傑作。
とあるブルジョア家庭が突如やって来た謎の若者によって崩壊してゆく。
この善悪を超えたような謎めいた眼差しあっての作品ともいえる。


コレクター
女性を拉致監禁する孤独に歪んだ男の役。
1965年にこの現代的テーマで撮ったのは名匠W・ワイラー。
これも彼の狂気にまで達するが如き繊細さあっての名作。
スーパーマン
低迷期にもこんな娯楽大作にひょっこり出てケタ違い負のオーラを放つ。
この時期、なんでもインドでドラッグ三昧だったとか。



プリシラ
いきなりドラァグクイーン(歌うオカマ)役なんかを見事にこなしたりして仰天させる。
久々に観なおしてみたらもう完璧な"レディ"と化していた。謎不思議な俳優。

粋に泣かせる映画。

素顔はやっぱりこんなにもダンディ。
グリーンの瞳が謎美しい。

イギリスから来た男
S・ソダーバーグのシブい佳作。かっっこえー!
96年の【私家版】、そして99年のこの作品あたりからハードボイルドな役柄が定着しだす。
同年にはスターウォーズ/エピソード1にも出演。
悪魔の首飾り
初見はF・フェリーニ作のこれ。かっこよすぎる!
死に取り憑かれたアル中の映画スターというこれ以上ないハマリ役。
フェリーニ演出の絶頂期とはいえとても演技と思えぬ壮絶な感情表現に胸をかきむしられる。
フェリーニマジック炸裂のセット撮影も際立ち、短篇ながらも頭に焼付く名作。

テオレマ
ちなみにどうやってブルジョア家庭が崩壊していくかというと、
父親・母親・娘・息子・家政婦の全員がこの謎の若者に魅了され、
全員が若者と肉体関係を結び、
その結果典型的ブルジョアの父親は荒野で発狂し、
ブルジョアに使われる立場の家政婦は奇跡を起こす聖者となる。
ブルジョア批判をこんな風に表現出来るのはパゾリーニぐらいか。




意外にも貧民街の生まれなのらしい。単純に名悪役とも言い難い不思議な名優。若い頃も老いた今も無感情というか感情が凍りついたという様な表情が独特だ。破滅型の天才ジャズマンChet Bakerに顔も似てるが彼は生き延び今も現役。神でも悪魔でもあるような、どこか人間を超越したような感じがある。そういえば神秘思想家グルジェフの自伝映画化【注目すべき人々との出会い】での求道者役も自然にハマっていた。俳優でなくても何か特別な存在になったと思える特別な人。

2011/06/06

【3】Willem Dafoe


ストリート・オブ・ファイヤー】
コレで世間が注目、も当然のつらがまえ。
80'sのメジャーヒット作。なので観てない。
【ワンスアポンアタイム・イン・メキシコ】
老いてもザ・つらがまえ!
シャドウ・オブ・ヴァンパイア】
何事か!?の特殊メイクつらがまえ。
完璧にノスフェラトゥ。
演技も完璧!

【スパイダーマン】
超メジャー作。でも観た。
素顔はこんなにもダンディ。
なのにこんなことやらされても嬉々と演じる。
【ワイルド・アット・ハート】
ストッキングに付け歯ぐき…それでも嬉々として演じる名優。
ちょこちょこっとしか登場しないのにもってかれます!
【キリスト最後の誘惑】
実は悪役以外もたくさん演じている。極めつけはジーザス・クライスト役。
高貴さはもともと備わってる方なので実に自然だった。
他のキリスト映画にある如何にも神の使い、みたいな嘘くささがなくていいんだな。
【アンチクライスト】
新作は天才ガイキチ監督ラース・フォン・トリアーの超問題作。
相当むごい目にあってるらしい。むろん役の中で。
観たいけど観たくない。
観たくないけど観たい。


主役よりも脇役の方が多いと思う。
とにかく彼が登場すると画面のテンションがガツンと上がる。
異形のつらがまえのようで普段の眼差しはとてもやわらかい。
だから善玉から悪玉まで幅広く演じられるんだろう。
十年後は更に深みのある名優だろうと確信できる愛すべき名優

2011/06/05

【2】Malcolm McDowell




【時計じかけのオレンジ】

マルコムと言えばやはりコレ!アレックス。

【時計じかけのオレンジ】


この作品が今だに特別なのは悪そのものが主役だから。
悪役が主役を食ったとかじゃなくて最初から主役。最後まで主役。
色々あって悪に染まりましたでもない。となるともはや悪でもない。
じゃあ何か?
野生。
だからアレックス君はまるで豹のよう。
ゆけ!アレックス!

【キャットピープル】
こんときも脇役ながらgood !
まさに豹人間。
【カリギュラ】
こんときはちょっと哀しい暴君役。
新婚夫婦の新郎(新婦じゃなくて)を犯して殺したりしてたけど。



昔。
【ハロウィーン】
最近。眼光衰えず。
ヒースは逝ったがマルコムは居る


チョイ役だけどゲイリー・オールドマン悪役復活作の【ザ・ウォーカー】にも出てた。現役なのがやっぱり嬉しい。ギャングスターNO.1】でも完全にキレたポール・ベタニーに劣らずかっこいい。地味な良作【タイムアフタータイム】の悪役じゃないもgood 。キワモノ扱いされてB級ばっかり出てなかったならハーベイ・カイテル並になったろうに…。けどまぁ実際キワモノ人物の可能性大。